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北野義則の競馬コラム「地獄の沙汰も3連単」2011年

[最終更新日]2015/05/18

2011/12/03

 大好きだった西本幸雄さんが亡くなった。広島との日本シリーズ第7戦でのスクイズ失敗は悔しかったが、今となってはあれでよかった。「悲運の闘将」が格好いいし、あのサインこそ勝利への執念の証しであり、闘将の証しだと思うからである。

 昭和56年、森ノ宮の日生球場で行われた西本監督の引退試合を生で見たのが自慢なのだ。近鉄=阪急のダブルヘッダー2試合を最初から最後まで見て、監督が両軍選手に胴上げされたシーンに感動し、鈴木啓示が泣きながら花束を渡した姿にもらい泣きし…。球場には9時間ほどいた。

 ホームランが出るたびにバックスクリーンのチオビタ人形が瓶を持ち上げてくれた日生球場は、もうない。近鉄も阪急もとっくの昔に消滅し、ゲームの会社なんぞが球団を持つ時代に突入する。野球の古き良き時代は、西本さんの死とともに葬り去られるのだ。

 競馬もそう。WIN5も3連単もない古き良き時代に戻してくれよと、薄っぺらい財布を眺めつつ涙する日々である。ジジイか、わし。